① アメリカ:衝突安全への意識が高いとされる先進国
アメリカはペットの自動車移動に関する安全基準の検討が、非常に進んでいる国の一つと言われています。
■ 安全基準への取り組み(CPSの役割)
非営利団体「Center for Pet Safety」が、独自のクラッシュテスト等を通じた情報発信を行っています。
・ 過去の調査事例:2015年の調査では、一部製品の固定強度などに関する課題が示唆されたと報告されています。
・ 評価の目安:特定の基準を満たした製品が推奨モデルとして紹介されるなど、製品選びの指標の一つとなっています。
■ 航空機移動(CDC規制)
狂犬病予防やマイクロチップ等の要件があり、2024年8月以降は手続きがより詳細化される傾向にあります。
■ アメリカにおける傾向
大型犬の飼育世帯が多い背景もあり、安全性に配慮した堅牢なクレート等への関心が比較的高いとされています。
② ヨーロッパ:安全基準(R129)とパスポートの活用
ペットを社会の一員として迎える文化が根付き、人間と同等の安全指標を検討する動きが見られます。
■ 安全基準への意識(R129/i-Size)
チャイルドシートの基準をペット用品の設計に活用する動きがあります。側面衝突への配慮など、より踏み込んだ安全性の追求が注目されています。
※ UN ECE R129は、ダミーを用いた試験等を行う国際的な安全規則の一つとして知られています。
■ 航空機・公共交通の傾向
主要な航空会社において、規定内の重量であれば機内同伴が可能とされるケースがあります。EUペットパスポート制度により、国を跨ぐ移動も比較的スムーズに行える環境が整っていると言われています。
■ ヨーロッパにおける特徴
公共交通では適切なリード管理が一般化している一方、車移動では法規に基づいた安全確保が重視される傾向にあります。
③ アジア(韓国・台湾):地域ごとに異なる進展
移動に関するインフラやルールは、国や地域の事情に合わせて独自の広がりを見せています。
■ 韓国
多くの航空会社で機内同伴が認められる傾向にあります。ペットと共に過ごす時間に対し、積極的にリソースを割くような消費傾向も報告されています。
■ 台湾
主要な航空路線では「貨物室預かり」が一般的とされており、国内の状況に近い運用がなされている側面があります。
④ 日本:独自の市場特性と現在の課題
ペットの家族化が進む一方で、移動に関する法整備やインフラ整備は、他国とは異なる独自の歩みを経ています。
■ 自動車移動の現状
ある調査では、車内でペットを固定せずに走行しているケースが半数を超えると報告されており、安全確保の習慣化が課題の一つとして挙げられています。
■ 公共交通機関(鉄道)
カートのままの乗車については制限がある場合が多く、ケースとフレームの分離が求められたり、重量制限が設けられたりしているのが一般的です。
■ 航空機利用の環境
一部の航空会社を除き、原則として「貨物室預かり」の対応となります。夏季の特定の犬種への制限など、移動に際しては事前の確認が不可欠な状況と言えます。
■ 日本におけるカート文化の背景
安全確保の観点に加え、「周囲へのマナー」や「熱中症対策」という独自のニーズに応える形で、多機能なカート文化が普及しているのが特徴です。